送りバントと敬遠策は日本野球らしい作戦?
日本でプロ野球の試合を見ていると、ピンチで強打者を迎えた場合は敬遠策が採られ、ノーアウトでランナーが一塁、または二塁に出ると次打者が送りバントをするというケースが少なくありません。しかし、こういった作戦は確率を無視している消極的な作戦だと主張する人は決して少なくないでしょう。
送りバントをすると、その時点で攻撃側はアウト一つを守備側に与えることになります。もし、ノーアウトで送りバントをした場合、最低でも三人まで打てる権利を手放すことになるのです。
日本野球よりも攻撃的かつ確率重視の作戦を立ててくるアメリカのメジャーリーグでは、送りバントはないのでしょうか?
実はそんなことはありません。
確かに通常の試合ではほとんど行わず、ノーアウトでランナーが出たらヒッティングで返そうとしますが、ポストシーズンの大事な試合の場合は送りバントを使うことが結構あるのです。
負けられない試合で送りバントを使うということは、一点を取るための作戦として送りバントはありだとメジャーの指導者たちは考えているということでしょう!
また、どんな強打者でも打率が四割を超えることはほぼなく、七割程度は打ち損じるのにわざと四球で塁に出す「敬遠」という作戦は無駄なものに思えるかもしれませんが、メジャーリーグでも当たり前のように使われています。
現在の打者の打率が三割で次の打者が二割であれば、当然、次の打者と勝負した方が打ち取れる可能性が高いわけで、敬遠策とは消極的というより合理的なものと考えられているのです。